医学というのは科学の一部なので、教科書や論文というものが重要です。

しかし、医学の進歩とともに教科書は時代とともに変遷していきますので、

やはり論文や歯科雑誌に目を通しておくことが必要になります。

当院には小児歯科学会誌や保存学会誌、歯周病学会誌、口腔外科学会誌など様々な分野の学会誌が来ますので、

読んだドクターがこれは重要だと判断した論文は情報を共有します。

 

ただ、折に触れ感じるのは文字で読むだけ、動画で見るだけじゃだめだということ。

子供が生まれてからは特にそのことを痛感させられます。

実は息子が1歳を迎えた先月頃から指しゃぶりをずっとしています。

もちろんまだやめさせる必要もなく、歯並びに影響するというものではないのですが、

ある程度大きくなった幼児の指しゃぶりが歯並びに影響するのは教科書的には常識です。

あまり遅くまでやっていると開咬になり矯正治療が必要になります。

なので、いつになったらやめてくれるのかな、どんどん少なくなってくれるのかな、とちょっと心配になります。

三歳くらいお子さんのお母さんから「指しゃぶりはやめさせたほうが良いですよね」とよく聞かれますし、

当然のように「歯並びに影響するのでやめさせてくださいね」と答えます。

 

しかし、どのようにやめさせるのかということが本当は問題なんですよね。

「やめさせて」というのは簡単ですがその子に合わせたやめさせ方を考えるのは大変です。

恥ずかしい話ですが、自分が子供を育ててみないと子供ってどういうものなのかが分からなかったんですね。

「注意すればやめさせられる」「言って聞かせればやめさせられる」と安易に考えていたわけです。

NHKスペシャル「ママたちが非常事態」という番組でも、

子供の行動というのは脳の発達に大きく影響されるとのことでした。

「歯並びに影響するのでやめさせてください」と指導して終わりにするだけでなく

子供の脳の発達や性格に合わせてお子さんやご両親と一緒に考えていく必要があると改めて思います。

もちろん、こういったことは指しゃぶりだけではありません。

歯科医学だけでなく子供の発育やお年寄りのリハビリなどまだまだ学ぶことが多いです。

 

本物に触れる、実体験する、生で見学するというのは自分に足りないものを理解する絶好の機会になりますね。

我が子を育てているつもりが我が子に色々教わっている未熟な父親です。

岸本歯科医院