大阪大学と一般診療所で長く摂食嚥下を専門に診療されてこられた先生のオープンセミナーに行ってきました。

昨年の口腔外科学会総会@名古屋国際会議場で驚いたのは、

栄養管理や嚥下内視鏡、摂食嚥下がレクチャーやセミナー、ランチョンセミナーとして開催されていました。

3年前の福岡での総会の時は周術期管理こそレクチャーが2つありましたが、

嚥下や栄養といった分野がランチョンセミナーとして取り上げられるようなことはありませんでした。

参加していませんが2年前の幕張での総会でも周術期口腔管理以外はなかったことを考えると、

昨年いきなり口腔リハビリテーション分野に風が吹き始めたと言えると思います。

非常に興味があった分野ですが、大学や病院歯科を離れると研修を積むのが難しい分野でもあります。

昨年の総会で嚥下内視鏡のミニレクチャーと摂食嚥下のランチョンセミナー受けましたがまだまだ勉強不足。

もっと本格的に勉強したいと考えていたのですが、今回はまたとない機会でした。

 

講演の中で印象に残ったのは、「摂食嚥下にはフローチャートが無い」という点でした。

同じような病状や全身状態でも、背景(家族や病院の積極性など)によって大きく左右されるということ。

介助する人の積極性や協力度によって選択できる治療が違ってきます。

この点が摂食嚥下のリハビリテーションの困難さの一つです。

つまり歯科医療従事者が診るべきなのは口腔内だけでなく社会的背景も一緒に考えないといけません。

 

今日の講演をきいて、ますます摂食嚥下リハビリテーションの勉強をしたいというモチベーションが上がりました。

岸本歯科医院