口腔外科学会近畿支部学術集会
今年は大阪で開催なので口腔外科学会のいわゆる地方会に行ってきました。
会場は桜ノ宮にある大阪市立総合医療センターでした。
まあ当然のことですが、周りは知らない先生ばかりです。
地方会の面白いところは、総会と違って会場が一つしかないので聞き漏らしがありません。
総会だと複数の会場があるので聞きたい内容の時間が重なればどちらかは諦める必要があります。
逆に言うと一つの会場で全発表を済ますので、かなりタイムスケジュールがおしてきます。
9時半から12時半までぶっ続けで3時間口演発表が続きます。
今日の発表の中で興味を引いた2つの発表がありました。
一つは順性埋伏智歯に対する2回法抜歯に関する発表です。
私も下歯槽神経に近い水平埋伏智歯に対して二回法をおこないますが、
順性、つまり萌出方向がちゃんと上を向いている埋伏智歯を二回法で抜歯するというのはあまり聞きません。
歯冠を削合して時間を置く場合の歯根の動きを検証したもので、
動く方向の予想ができるため適応かどうかある程度術前に判断できそうです。
もう一つは口腔内異物の臨床統計に関しての発表。
特に上下に関わらず智歯抜歯を行う際に歯根迷入や注射針・器具の破断などで起こる偶発症です。
また根管治療などでも起こりえます。
つまりは日常の一般診療でも起こり得るやっかいな偶発症の一つなんです。
放置すると感染やアレルギーを引き起こすものですが、ほとんどが医原性というのが別の問題(主に訴訟)にも繋がります。
発表後の質疑で手を挙げたのですが座長の死角に座っていたのでスルーされてしまいました。
昼食の休みに個人的に質問に行こうと座っている場所を確認して次の発表を聞いていましたが、
その後の座長交代のため少し時間が開いたときに演者の方がわざわざ質問を聞きに来てくださいました。
大阪大学のK先生、ご教示いただきありがとうございました。
今年の総会は幕張であるので行けそうにありませんが、
先週届いた口腔外科学会雑誌によると来年は京都の宝ヶ池であるので仕事を休まなくて済みそうです。
総会にハンズオンセミナーやレクチャーがあるので出来れば毎年参加したいのですが、
仕事を休んでまでは中々いけないのが現実です。
小規模診療所の悲哀ですね・・・。