経験上、外傷の患者さんが増えるのは子供なら学期の初め、大人なら忘年会シーズンです。

なので今はどちらかというと外傷が少ない時期のはずです。

歯の脱臼だけなら固定するだけでいいのですが(基本的に治療方針に迷いませんので)、

これに歯の破折や歯槽骨骨折が加わると途端に判断が難しくなります。

この分野で第一人者と言えるのは愛知の月星先生で、

氏の著書には「本当に残せるのか」と驚くようなものまで残している症例があります。

なので、患者さんには残せるかどうかは分からないとは断りを入れますが、

可能性に賭けてプロトコールにそった治療をおこなっています。

こういった時に口腔外科にいた時の経験が非常に役に立ちますね。

残念ながらその時に使っていた機材の一部は生産中止になりましたが、

代替機材を工夫して使うようにしています。

ただ外傷で難しいのは保存できるかどうかの判断を下すのは経過を見ながらなので、

今日明日といった感じで早くは出来ません。

受傷直後以外は患者さんも治療する我々も気長に構える必要がある治療なのです。

岸本歯科医院